誰もが学生時代に英単語をたくさん暗記した経験があるだろう。しかし「たくさん覚えても、全く話せるようにならなかった」と答える人が大多数だ。そんな英語学習者から「最短で英語の表現力をつけるならこれ」「会話で使える用例が半端なく多い」と絶賛の声を集める本がある。『話す力が身につく5分間英単語』だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之さん。本稿では、高橋さんも実践してきたという「英語がスラスラ口から出てくるトレーニング」を教えてもらった。

日本育ちでも英語をスラスラ話せる人がやっている「2つのトレーニング」Photo: Adobe Stock

いつまでたっても英語が出てこない…

 それなりに英語を勉強してきたつもりなのに、言いたいこと[書きたいこと]をサッと英語で表現することができない。

 こうしたお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 この解決方法をご紹介する前に、まずは英語の母語話者ではない私たちが、どのように英語の文を発話しているのかを考えてみましょう。

【発話に至るパターン】
① 頭にストックしてある英語表現を発話する
② 自分で文を作り出して発話する

 このように大きく分けて①と②のパターンがあります(この他、頭にある表現を、今言いたいことに合わせてアレンジした上で発話するという、①と②を合わせたケースもあります)。

 こうした2つのパターンがある以上、表現力を高めるためにやることは以下の2つです。

① 頭の中の表現のストックを増やす
② 文を作り出す力をつける

 このうち、①については過去に公開された記事、英語は忙しい人でも上達する「たった1つの独学のコツ」をご覧ください。

 本稿では、②の「文を作り出す力をつける」方法について考えていきましょう。

【その1】単語同士をリンクさせる

 文を作り出すために、まず必要なのは「単語を使いこなす力」です。ここでは特に、単語同士の「リンク」に焦点を当ててお話ししましょう。

 突然ですが、「治療」は英語で何と言うか分かりますか?

 正解はtreatmentです。では、これを踏まえて、以下の日本語を英語にしてください。

「彼は昨年、皮膚がんの治療を受けた」

 いかがでしたか?「治療」は英語で何と言うのかは分かっても「治療を受ける」はどう表現するのか。

 また、「皮膚がんの治療」と言うとき、皮膚がん(skin cancer)とtreatmentをどんな言葉で接続したらよいのか分かりましたか?