西側が制裁措置の対象とするロシアやイランの石油輸送を目的とした老朽タンカーの運行が増えている。こうした動きはタンカー乗組員を危険にさらすほか、環境破壊を招く恐れもある。制裁対象の石油の輸送で役割が拡大しているのが、世界の海運業界では意外な新顔ともいえるガボンだ。ガボンはアフリカ中部の小国で、海運関連よりも熱帯雨林などで知られる。最近ではクーデターの発生でも注目された。船舶ブローカーや船主など海運関係者によると、ガボンに船籍を置くタンカーは100隻を超える規模に膨らんでいる。ロイズリスト・インテリジェンスでは、このうち70隻以上は所有者がはっきりせず、制裁対象の石油輸送に特化した闇タンカーである「影の船団」の一部だとみている。
ロシアの石油輸送、小国ガボンの役割拡大
アフリカ中部のガボンに船籍を置くタンカーは100隻を超えると海運業界関係者はみている
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