年齢を重ねても「いつまでも若々しい人」と、本来の年齢以上に「老け見えする人」がいます。
その差は一体、どこから生まれるのでしょうか?
本記事では、18年間で延べ6万人以上の体の悩みを改善した整体師であり、書籍『顔のゆがみがととのうと驚くほどきれいな私が現れる』(高野直樹著、森下真紀監修)の著者である高野氏に「いつまでも若々しい人と老け見えする人の差」について聞きました。(取材/構成:塩尻朋子)
「姿勢」が悪いと全身のスタイルが総崩れする
――年代や性別を問わずに、「若々しい人」「老け見えする人」の違いはなんなのでしょうか。
高野直樹(以下「高野」):肌や髪の状態、服装や話す言葉など、「老け見え」してしまう要因はたくさんあります。でも、最も大きな原因の一つが「姿勢」だと私は考えます。
たとえ20代でも、背中が丸まっていて、膝を曲げてペタペタ歩く人は「若々しく」なく、疲れた感じに見えますよね。ましてや50代ともなると、背骨がスッと伸びて美しい姿勢でいる人と、背中が曲がっている人とでは、同じ年齢でも20歳近く違って見えるはずです。
姿勢が悪いと何が起こる?
――そうですね、でも「姿勢」がキレイなのはいいことだとわかっていても、なかなか日常生活で、姿勢まで気が回らないのが現状です。
高野:そうかもしれませんね。でも「姿勢」が悪い時間が長く続くとどうなるかを知ったら、気をつけようという気になるはずです。
たとえば、スマホばかり見ていて、背中が丸まり、両肩が前に入る巻き肩が習慣になっているとしましょう。すると、大胸筋が衰えますので、バストがどんどん下がります。
上半身がそんな姿勢なのに、下半身だけしっかりした姿勢でいられることはあり得ません。背中が丸まれば、自然と下半身もバランスを取ろうとして、かがんだ姿勢になり膝を曲げないと歩きづらくなります。
膝を曲げたまま、足を引きずるようにペタペタ歩くようになると、太ももの筋肉ばかり使い、お尻の筋肉は使えなくなります。すると、太ももばかりが発達して太くなり、お尻はしぼんで垂れ下がります。
また、背筋がしっかり伸びていないと、腹部のインナーマッスルを使えなくなりますから、ウエストがどんどん太くなります。さらに、背中がいつも丸まっていると、内臓がだんだん下に下がってきます。行き場のなくなった内臓は、骨のない腹部にたまり、下っ腹が出てきてしまいます。
つまり、姿勢が悪い状態が続くと、全身のスタイルが総崩れしてしまうのです。
「頬の高さの左右差」は老け見えの原因に
――それは、恐ろしいですね。全身にスタイルに関しては納得ですが、顔の老け見えにも、姿勢は関係ありますか?
高野:もちろんです。まず、頭が前に突き出てた姿勢があたりまえになると、首や肩の筋肉がこわばります。すると、首から上への血流などの流れが悪くなり、顔がむくみやすくなります。
顔がむくむようになると、よぶんな水分がたまりがちになりますから、重さで顔全体が下がってたるみ、シワが深くなるでしょう。
また、拙著『顔のゆがみがととのうと驚くほどきれいな私が現れる』でもご紹介していますが、姿勢が悪いと筋肉のつき方が不均衡になり、体がゆがみます。人間の体は筋、骨や膜で全身がつながっていますから、体がゆがむと、顔のバランスも乱れます。
そして特に、頬の高さに左右差が生まれると、頬骨などの骨が目立つようになり、顔がゴツゴツして「老け見え」するようになるのです。
高野:姿勢が悪いまま、ジムなどに一生懸命通っても、筋肉が偏ってついてしまいます。まずは、何よりも姿勢を意識し、維持することが、全身の「若見え」の基本だと言えるでしょう。
※次回の記事では「頬の左右差を改善するケア」を改善するケアをご紹介します
BIKOTSU ZERO院長・ゆがみ整体師
整骨院・リラクゼーションサロンを経て、整形外科リハビリ室での勤務も経験し、体の悩みと向き合いながらクライアントを改善へと導いてきた。さまざまな技術を習得し18年間に延べ6万人以上を施術。柔道整復師や鍼灸師などの国家資格者・整体師・エステティシャンなどが技術を学ぶ学校の教科書も作成し、これまで数々の革新的な無痛小顔矯正・バキバキしない骨格矯正技術を世に送り出してきたゆがみを整える職人。