ボンボン育ちの夫

私が絶えず仕事をして生活費を補填すれば、その分、お小遣いが潤沢に使えるというメリットもあったでしょう。

それを差し引いたとしても、大正生まれの男性にしては、妻が外に出て働くことに関して比較的寛容だったことについては、ありがたかったと思っています。

主人は甘やかされたボンボン育ちで、困った点もありましたが、「あの年代の男性にしては」というただし書きつきではあるものの、鷹揚な部分があったのは、愛されて育った人ならではの美点だったのかもしれません。

夫からの“美”の要求

また、主人は背が高く、今の言葉で言えば「シュッとしている」というタイプでしょうか。顔立ちもそこそこの、見た目のいい人でした。おそらく自分の容姿にはそれなりの自信があり、「格好よくしていたい」という気持ちもあったのだと思います。

そのうえ、仕事のお付き合いで華やかな女性のいる場所に出入りする機会もあったみたいです。

だからでしょうか、私にも「きちんとしていなさい」とか「きれいにしているように」などとよく言っていました。

影響を受けた夫のひと言

まだ私がポーラ化粧品を使っていなかったころ、呆れたようにこう言われたことがあります。「あのね、女性には身だしなみっていうものがあるんだよ。わかってるか?」。

なりふりかまわず、お肌のお手入れさえしない私に興ざめしたのでしょう。私がポーラの化粧品を使ってせっせとお手入れをするようになったのは、主人にそう言われたことが影響しているんです。

※本稿は、『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。