ドナルド・トランプ氏の副大統領候補にJ・D・バンス氏が指名されたことで、数年前から右派で醸成されてきた政治運動が全国的に有名になった。バンス氏は「ポストリベラル」右派を自称しており、これほど高い役職を目指す共和党候補では初めてのことだ。バンス氏がポストリベラリズムを支持していることの意義は、トランプ氏の副大統領候補としての役割にとどまらない。次期大統領の任期終了後にバンス氏がトランプ運動の旗手になると予想する向きが多い。彼は政治家としてだけでなく、統治哲学を明瞭に話す能力がある知識人と見なされている。トランプ氏の元側近スティーブ・バノン氏はバンス氏について、米政治専門サイト「ポリティコ」の言い換えを借りれば、「トランプ氏のキリストに対する聖パウロ。すなわちトランプ氏自身よりもトランプ主義の教義を広く拡散する熱心な改宗者」とまで評した。
【寄稿】バンス副大統領候補とポストリベラリズム
バンス氏はトランプ氏の「闇の政府」批判に哲学的な重みを加える
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