同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は著者の特別寄稿から、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

AI時代に「頑張らなくても稼ぐ人」だけが密かに学んでいることPhoto: Adobe Stock

AIでできること、できないこと

前著『稼ぐ言葉の法則』から8年ほど経過した。
その間の一番大きな変化は、文章生成AIの進化だ。

2023年から、ChatGPTに代表される文章生成AIの普及により、文章作成におけるAIの対応範囲は劇的に広がった。

一方で、生成AIが進化したからこそ、人にしかできない点がクローズアップされてきた。

生成AIによりコピーライティングはもう人の仕事ではなくなるのでは? という見方もあるが、文章生成AIの限界も見えてきた。

コピーライティングというと、多くの人は気の利いた文章さえマネすればすぐ売れると考えがちだが、その領域は今後生成AIに置き換えられていく。

しかし、コピーライティングの本質は文章表現ではない。

こういうと誤解されるかもしれないが、文章表現が不要ということではない。
文章自体がないと伝えられないから、最終的には文章化する必要がある。

だが、コピーライティングで最も重要なことは売れるコンセプトをつくること、もっといえば、売れる仕組みをつくることだ。

そして、コンセプトメイクしたり、仕組み化したりするには、商品・サービス、顧客、市場について深く理解する必要がある。

単に「調べる」だけでなく、今までにない新しいコンセプトを生み出す必要がある。

この新しいコンセプトをつくり出す部分はAIにはできない領域なのだ。

なぜ「コピーライティング」が必要なのか?

実は、本書の両著者も独自のコピーライティングAIの開発に取り組んでいる。
私たちのノウハウをふんだんに織り込んだ、オリジナルのAIだ。

だが、そのプロセスをもってしても、やはり人にしか決められない領域がはっきり見えてくる。

たしかに、AIからヒントを得ることはできる。
AIのアウトプットをもとに、新たな切り口を見出す突破口を開くことは可能だ。

しかし、そのヒントにピンときたり、最終的に「こういうコンセプトにしたい!」と「決める」のは人だ。

この「決める」ために必要になってくるのが、コピーライティングなのである。

だから、AIの進化によって、単に文章化するという意味での「書く」ことが、簡単にできるようになった今だからこそ、真のコピーライティングを多くの人に役立ててもらえるチャンスが到来した。

今回、私たちが本書『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則』を出版した一番の理由はここにある。今、このタイミングだからこそなのだ。

スーパーパワーアップ版のワケ

本書は、2016年刊の前著『稼ぐ言葉の法則』の【スーパーパワーアップ版】だ。

前著の目玉は、「新・PASONAの法則」と「稼ぐ言葉を掘り当てる5つの質問」を初公開した点だった。

当時は、コピーライティングについてまとめた日本の書籍は極めて限定的だった。しかし、その後、電子書籍の普及もあり、コピーライティング本が多く刊行されている。私たちもコピーライティング技術の集大成として『コピーライティング技術大全』と『売れるコピーライティング単語帖 増補改訂版』を刊行してきた。

そういうこともあって、前著の『稼ぐ言葉の法則』にあった技術的な部分は『コピーライティング技術大全』のほうが充実しているので、技術的な部分を「増補」してもあまり意味がない。

そこで、コンセプトを一新。法則部分にフォーカスすることにした。
そして、前著にあった法則41を大幅に拡充し85にした。

だが、これだけで【スーパーパワーアップ版】と呼んでいるわけではない。

この85の法則は、従来のイメージの「書き方」の部分を主体としたコピーライティングの法則を集めたものとは違う。

例えば、【法則02】「成長カーブの法則」は、ビジネスのトレンドをどう見るかという法則。

AI時代に「頑張らなくても稼ぐ人」だけが密かに学んでいること

また、【法則09】「自然は真空を嫌う法則」は、ワインを売るためには、ワインの種類を増やすのではなく、ワインセラーを売ろうというもの。

実は、これらについては『コピーライティング技術大全』にも載っていない。『コピーライティング技術大全』以上にコピーライティングをもっと包括的に広い視野で捉えたのが今回の本なので、「増補改訂版」ではなく【スーパーパワーアップ版】としたのだ。

テクニックだけを覚える危険性

それでいて、本書の想定読者は、マーケティングやコピーライティングをほとんど知らないけれど、売らなくてはいけない人である。

また、一生懸命頑張っているのに、なかなか成果が上がらない人も想定している。初学者はもちろん、ある程度のレベルの方にも、現場ですぐ使える仕掛けが随所に張り巡らされている。

本書の目的は、売れるようになりたいという人が確実に、かつ爆発的に稼げるようにポイントを、貧す人が稼ぐ人に変わる「一語の違い」で指南すること。

なるべく専門的な用語を使わず、平易な事例を紹介しながらも、決してレベルを落としていない。

85の法則は、25年以上の実践に裏打ちされ、ビジネスの加速的成功を実現する「マーケティング・ピラミッド」の3つのステージに基づいている。

ただ単に85個の法則が並んでいるテクニック本ではない。
読者が理解しやすいよう、実践して結果が残るよう、そして言葉だけつまみ食いして副作用が出ないよう、緻密に設計してあるのだ。

必ずしも順番に読まなくても、パラパラ読んで、好きなところ、気になったところから読んでもいい。
85の法則を勉強する必要はない。
日々唱えるだけで結果は大きく変わってくるだろう。

大事なことなのであえて繰り返すが、今回の『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則』は単なるテクニック本ではない。

コピーライティングの本質が、「貧す人」と「稼ぐ人」のたった一語の違い、という対比の中に凝縮されているのだ。
巻末にある両面ジャバラを切り取り、常に見て、声に出して習慣化すると、来年の今頃は、見えてくる景色が大きく変わってくるはずだ。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の著者による特別寄稿です)