個人投資家の間で大きな支持を集めるベストセラー『株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書』、待望の続編『株トレ ファンダメンタルズ編』が発売された。前作はチャート分析がテーマだったが、今作では企業の業績や財務の読み方をわかりやすく解説する。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。

株で絶対に手を出してはいけない危ない会社1つの共通点Photo: Adobe Stock

こんな株は絶対に買ってはいけない

 異常な姿のバランスシートを見た時にすぐにわかる眼を持ちましょう。株式投資で必要な最低限の知識です。

 株式投資で、絶対やってはならないことがあります。財務内容の悪い株を買うことです。

株で絶対に手を出してはいけない危ない会社1つの共通点

 業績は変動します。今期悪くても、来期は良くなるかも。だから、業績が悪くて株価が下がっている時は割安に買うチャンスかもしれません。

 ところが、財務内容は簡単には変わりません。財務がひどい会社は、少しくらい業績が良くなっても財務内容は悪いまま。最悪、破綻してしまうと、株式の価値はゼロになることもあります。

 だから、業績の悪い株を買うのはOKでも、財務内容がひどい会社を買うのは絶対ダメなのです。

投資の実力を磨く『株トレ』に挑戦!

 最近、株価が下がってきた製造業H社の買いを検討しています。ちょうど第24期決算が発表されました。

 売上高は前期比横ばいの120億円、営業利益も横ばいで12億円でした。過去2年(第23期・24期)のバランスシートと業績は次の通りです。

 買い出動する? それとも見送り?

株で絶対に手を出してはいけない危ない会社1つの共通点第23期の総資産を100とした比率で表示

【ヒント】売上債権に注目しよう

 現金商売(売上代金を即現金で受け取れる商売)でない限り、売上高に対して一定割合の売上債権(売掛金と受取手形)が発生します。

 どの位が適正か、業種ごと企業ごとに異なるので一概にはいえませんが、H社はどうでしょう?

※売掛金:売上の対価として将来的に金銭を受け取る権利