101歳、現役の化粧品販売員として活躍している堀野智子(トモコ)さん。累計売上高は約1億3000万円で、「最高齢のビューティーアドバイザー」としてギネス世界記録に認定されたキャリア61年のトモコさんが、年をとるほど働くのが楽しくなる50の知恵を初公開した話題の書『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。佐藤優氏(作家・元外務省主任分析官)が「堀野氏の技法は、ヒュミント(人間による情報収集活動)にも応用できる」と絶賛(日刊ゲンダイ・週末オススメ本ミシュラン)する世界一の先輩による“人生訓”は、アナタの疲れた心を元気にしてくれる!

101歳の現役営業は、病院でも通勤バスでも顧客を見つける。Photo: Adobe Stock

骨折して入院したときに

病気らしい病気をしたことのない私ですが、97歳のとき、バスを降りる際に転んで骨折して、入院するはめになりました。

そのころ、定期的にお会いしていたお客様は8人いましたが、なんと入院先で新たなお客様との出会いがあったんです。

同じ病室だった女性と入院中に仲良くなり、カーテンを閉めることなくずっと楽しくおしゃべりするようになりました。

思いもよらない出会いがあるもの

私が朝晩のお肌のお手入れをするのを見て、「やっぱりお手入れするのとしないのとでは違うの?」と興味を持ったようなので、「つけてみる?」と、一式使わせてあげたところ、気に入ってくれて買ってくれるようになったのです。

いつ、どこで出会いがあるかわからないものですね。ありがたいことです。お客様とのそんな偶然の出会いが、他にもあります。

いつどこでもお客さんとの出会い

101歳を超えた今も元気いっぱいの私でも、10年前のように出歩くことは少なくなっています。ところが、面白いことにバスに乗っての出会いからお客様になってくれた人もいます。

私が住んでいるところは、福島市内とはいえ、かなりの郊外でバスの本数がとても少なく、それだけに乗る便がだいたい決まってしまいます。だから、同じ人と同じバスに乗り合わせることが多いんですね。

そうしたところ、「おはようございます」と挨拶から始まって、なんとなく顔見知りになって雑談するようになり、「おうちはどこ?」なんて話をするようになりました。

自然な流れで商談成立

その人が「◯◯だよ」と言うと、「うちの近くじゃない!」という展開になり、相手の人がうちに遊びに来るようになったんです。

お茶を飲みながらいろんな話をしているうちに、私がポーラのセールスをしていることが相手にわかり、「私も昔、使ってたのよ。そういえばしばらく使ってないから、また頼んでみようかな」と言ってくれたんです。

こんな偶然の出会いからお客様になってくれたのですが、今でもお付き合いがあり、しょっちゅういろんな商品を注文してくれます。

バス停での出会い

あるときは、通っていた整形外科の前のバス停から一緒に乗ってきた人と仲よくなったこともありました。「どこか悪いの?」から始まって、ふとその人の手を見ると、少し指先が荒れていたのです。

ちょうどハンドクリームを持ち合わせていたので、「つけてみる?」と貸してあげたところ、気に入ってくれたんです。

「持って行っていいよ」と、それをあげてしまいました。

私にとっては、“バスさまさま”

次に会ったときに「あのハンドクリームすごくよかったけど、どこで買えるの?」という話になり、これがきっかけで私のお得意様になってくれて、今でもいろいろ買ってくれています。

こう考えてみると、普段から心を開いて、打算抜きでいろんな人と話をすることは大切なんだと思いますね。

まさか相手は、年寄りの私がセールスレディとは思わないでしょうけれど、そういった営業抜きでも、雑談しているだけでボケ防止にもなりますし、バスには本当に出会いをもらっていますね。

私にとっては、“バスさまさま”なんです。

※本稿は、『101歳、現役の化粧品販売員 トモコさんの一生楽しく働く教え』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。