個人投資家の間で大きな支持を集めるベストセラー『株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書』、待望の続編『株トレ ファンダメンタルズ編』が発売された。「この株は売り? それとも買い?」「どっちの株を買う?」投資シミュレーションの感覚でクイズを解くうちに株の知識が自然と身につく1冊だ。前作ではチャート分析がテーマだったが、今作では業績や財務の読み方をわかりやすく解説する。著者は、ファンドマネジャー歴25年、2000億円超を運用してTOPIXを大幅に上回る好実績をあげたスペシャリストの窪田真之氏。本稿では本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
財務の悪い会社に手を出すな!
バランスシート(貸借対照表)を読む最大の目的は、財務内容が「健全か不健全か」知ることにあります。
異常な姿のバランスシートを見た時にすぐにわかる眼を持ちましょう。
これは、株式投資で必要な最低限の知識です。
なぜ財務内容が悪い会社への投資は「絶対ダメ」なのか
業績は変動します。今期悪くても、来期は良くなるかも。だから、業績が悪くて株価が下がっている時は割安に買うチャンスかもしれません。
ところが、財務内容は簡単には変わりません。財務がひどい会社は、少しくらい業績が良くなっても財務内容は悪いまま。最悪、破綻してしまうと、株式の価値はゼロになることもあります。
だから、業績の悪い株を買うのはOKでも、財務内容がひどい会社を買うのは絶対ダメなのです。
『株トレ』のクイズに挑戦!
①~⑩に当てはまる勘定科目はどれ?
次から選んでください。
[受取手形、売掛金、買掛金、原材料、支払手形、現預金、仕掛品、棚卸資産、短期借入金、製品]
正解は…
①~⑩に当てはまる勘定科目は、以下の通りです。
会計はビジネスの言語。言語を学ぶには、最低限覚えなければならない単語があります。
上記の勘定科目はきちんと理解して覚えましょう。
製造業には「運転資金」が必要?
製造業では、原材料を仕入れ、製造して、販売代金を回収するまでかなりの時間を要します。
仕入や生産にかかる現金が先に出ていき、販売代金回収で現金が入ってくるのが後になります。
そのため運転資金を短期借入金などで調達する必要があります。
業種によって異なる棚卸資産
製造業では「原材料」「仕掛品」「製品」が棚卸資産です。
流通業では、棚卸資産は「商品」だけです。
マンション開発業(不動産)では、「開発用土地」「仕掛販売用不動産」「販売用不動産」が棚卸資産です。
(本稿は、『株トレ ファンダメンタルズ編』から抜粋・編集したものです。)