中国共産党は長年、国営メディアや教育を通じて愛国心をあおってきた。愛国者の熱意は時に制御不能になる。中国ではここ4カ月で日本人と米国人を標的にした刺殺・刺傷事件が3件発生し、そうした愛国キャンペーンの暗部が露呈した。中国では多くの人がこれを「憎悪教育」と呼ぶ。この1年に出回ったある動画では、女性教師が机をたたきながら、日本に対する「血の確執」について生徒に講義し、第2次世界大戦中の日本軍による残虐行為を決して忘れるべきではないと教えていた。国営メディアはこの教師を称賛し、他の教師は動画をリポストした。別の動画では、中国人の母親が、日本の「ウルトラマン」が好きだという幼い弟をしかる小学生の娘を自慢していた。
中国の「愛国」が暴力に変わる時
日本人と米国人の刺殺・刺傷事件相次ぐ 「憎悪教育」がネットでバズる一方、同情の声は抑圧された
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