米石油大手は、ジョー・バイデン大統領が推進した気候変動対策法のうち、少なくとも業界に恩恵をもたらす条項は破棄しないよう、共和党大統領候補のドナルド・トランプ前大統領と同党に求めている。こうした要請は異例。エクソンモービルやコノコフィリップス、オクシデンタル・ペトロリアムは、トランプ陣営や同氏に近い議員らとの協議で、気候変動対策が盛り込まれた「インフレ抑制法(IRA)」の利点を称賛。化石燃料業界の多くは、2022年に同法が可決された際には反対していたが、業界として注力している低炭素エネルギー関連のプロジェクトに数十億ドルを割り当てる内容を現在は高く評価している。親トランプ派が多い石油業界の幹部の一部は、トランプ氏が再選した場合、同氏がIRAの破棄を目指す保守派議員と手を組むことを危惧。再生可能燃料や炭素回収への投資が初期段階にある中、これを乗り切るために不可欠な税額控除が失われる可能性を懸念している。