中国のスタートアップ企業に対するベンチャーキャピタル(VC)の投資急減を受け、中国政府は国内テクノロジー産業の育成にこれまでよりも深く関与する姿勢を示している。中国は西側の技術に追い付こうとしているが、こうした戦略が長期的には障害となる可能性がある。新型コロナウイルス流行前には、米国からの資金など民間VC投資が中国のテックブームを後押しした。ところが、投資家の間で中国経済に対する楽観論が後退し、地政学的緊張を敬遠する姿勢が強まったことで、こうした投資は枯渇した。創業初期の企業に対するVC投資は約10年ぶりの低水準に落ち込んでいる。調査会社ディールロジックによると、中国向けの国外・国内VCファンドの年初来(10月上旬まで)投資額は約64億ドル(約9400億円)で、前年同期比40%減となった。外国人投資家は2018~22年に年平均で約140億ドルを投資していたが、昨年と今年はほとんど投資していない。