共通するトピック

「作家」というからには、台本か何かを書いているのかと思う人もいるだろう。それも仕事の1つではあるが、それだけではない

ここで僕たちが、普段どんな仕事をしているのか、簡単に紹介したい。YouTube作家としての基本は、もちろん「企画」を生み出すことにある。

ここからの話は、YouTubeに限らず、いろんな業界で企画・クリエイティブ・マーケティング関連の仕事をしている読者にとって、共通するトピックかもしれない。

企画を立てるときの2つのケース

少し違う点を挙げるなら、僕らの場合、企画には大きく分けて2つのケースがあるということだ。

自分自身のチャンネルの企画を考えるケース
ほかのYouTuberのチャンネルの企画を考えるケース

それぞれを説明することにしよう。

自分自身のチャンネルの企画を考えるケース

自分が運営するチャンネルの企画は、そもそもチャンネル自体を「誰に向けた」「どんなチャンネルにするか」のコンセプトを決める段階から始まる。

そして、そのコンセプトにのっとったチャンネル運営をするうえで、どんなコンテンツを継続して企画していくかを考える。

業務を分担したり外注したりすることもあるが、企画・構成・演出・編集・サムネイル作成・タイトル作成・アップロードなど、動画配信に関わるすべてを自分たちでやることも多い。

これは企業における「ブランディング」と同じで、アウトプットのクオリティや全体の雰囲気に統一感を出すためだ。

ほかのYouTuberのチャンネルの企画を考えるケース

ほかのYouTuberに提案する企画には2種類ある。

1つは、日常的に配信しているチャンネルでの企画だ。僕たちは、これを「日常企画」と呼んでいる。

この場合、これまでとは異なる切り口や構成でのアイデアを、20~40ほど提案する。幅広く方向性を打ち出して、会議などで話し合いながら進めていく。

2つめは、ロケやほかのYouTuberとのコラボなど、大がかりな準備が必要な「大型企画」だ。

この場合も、企画・構成・演出・編集などをすべて手がけることもある。

自社の事業なのか
クライアントワークなのか

普段、そのチャンネルでやっている企画であれば、ある程度はYouTuberが自らコントロールできるが、未経験の大型企画では、ちょっと勝手が違ってくる。

だからこそ、準備や手配など細かい部分も含めて、仕事を請け負ったYouTube作家の出番なのであり、撮影当日のディレクションや監修、スケジュールの調整まで、僕たちが行うこともあるのだ。

ビジネス的にざっくりとその違いを言うならば、自社の事業なのか、クライアントワークなのかで、違ってくるということになる。

※本稿は、『YouTube作家がこっそり教える 「ウケる企画」のつくり方』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。