中国経済が深刻な不振に陥る中、習近平国家主席は先月ついに、何か手を打つ必要があると判断した。習氏は経済のテコ入れへ強力な措置を講じるよう求める声を2年間かわし続けたが、9月下旬についに折れ、利下げなどで成長を下支えするよう命じた。だが担当者に一任したわけではない。意思決定に近い当局者や政府顧問によると、習氏が望んでいるのは破綻寸前の地方政府の救済と株式市場の浮揚であり、国家主導で自国を産業・技術大国にする方針から大きくそれることは望んでいない。また、習氏の目先の目標は、大規模な需要喚起ではなく、金融危機の発生を防ぐ「デリスキング(リスク低減)」であり、経済全体を安定させて今年の成長目標(5%前後)を達成することだという。
習氏が景気対策に動いた理由
悪いニュースの「騒音」が背中を押した、だが抜本的な方針転換はまだ
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