カマラ・ハリス米副大統領は男性からの支持獲得に苦戦している。ドナルド・トランプ前大統領は女性に関して同様の問題を抱えている。ジェンダーギャップ(性差)は、こう着状態にある米大統領選を特徴付けるものになっている。ハリス氏は人工妊娠中絶の権利を支持し、それに触発された女性グループの票を獲得している。一方、トランプ氏は極めて男性的な表現で男性たちを引き付けている。こうした分断は、両氏のメディア戦略や、どの問題を選挙戦終盤の最重要争点に位置づけるかに影響を及ぼしている。男女間の分断は現代の選挙では常にあるものだが、2020年以降に多くの人種グループや教育・所得水準グループを網羅する形で広がっているように見える。トランプ氏は2020年の大統領選では男性の支持率で5ポイント優位に立っていたが、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が8月下旬に実施した直近の全米世論調査では、その差は10ポイントに広がった。ジョー・バイデン大統領は2020年に女性の支持率で12ポイント上回っていたが、ハリス氏のリードは13ポイントになった。