米大統領選の選挙活動が終盤に差し掛かり、接戦州では共和党が「どぶ板」作戦の強化を急いでいる。共和党候補のドナルド・トランプ前大統領は有権者への戸別訪問などを外部団体に委託しているが、党員の間ではこの戦略は機能しておらず、主要な激戦地で十分な数の有権者を投票所に向かわせることができないとの危機感が高まっている。
トランプ陣営は、有権者の家などを訪問する取り組みを従来のように党自体で行うのではなく、「ターニングポイント・アクション(TPA)」などの外部団体に委託し、報酬を支払って行わせるという賭けに出ている。TPAは保守派活動家チャーリー・カーク氏が設立した団体「ターニングポイントUSA」の一部だが、共和党の選挙対策担当者の間で特に懸念を引き起こしている。ウィスコンシンやアリゾナといった州の共和党員からはTPAがさほど成果を上げていないとの指摘も聞かれるが、TPAはこうした見方を否定している。