「ハリス氏有利」を一転させかねない
ネタニヤフ首相の戦争拡大
11月5日の米大統領選挙の投票まで、約3週間となった。
筆者はバイデン大統領が大統領選挙戦から撤退した8月の時点で、「常識が極論に勝る」としてカマラ・ハリス副大統領がロナルド・トランプ前大統領を破り、大統領選に勝利する可能性が高いと指摘した(本コラム8月21日付)。
その予想は変わらないが、大統領選挙戦はまれに見る接戦になっており、内外の情勢変化により票が大きく動くこともある。これまでも結果を左右することになった11月の投票日前に起きる、いわゆる「オクトーバー・サプライズ」だ。
対外関係やインフレ率、失業率の急騰あるいはハリケーンといった自然災害など多くの場合が現政権には不利に働く場合が多い。現に激戦州を含む地域を襲った二つの大型ハリケーンが「オクトーバー・サプライズ」にならぬようハリス副大統領は対応に万全を期している。
筆者は、これから投票日までの間に起こり得る最も深刻な「オクトーバー・サプライズ」は中東における戦争の拡大だと思う。
イスラエルが、イランの核や石油施設に対して攻撃を拡大する懸念だ。