ロシアは今年に入り、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海を航行する船舶をミサイルやドローン(無人機)で攻撃する際に、標的のデータを提供していた。フーシ派が世界貿易の大動脈で攻撃を展開し、同海域に混乱をきたす支援をしていた。フーシ派は昨年末、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃の報復として船舶攻撃を開始した。事情に詳しい関係者1人と欧州の国防当局者2人によると、フーシ派は攻撃を強化するに伴い、ロシアの衛星データを利用し始めた。関係者の1人によると、データはフーシ派に同行していたイランのイラン革命防衛隊(IRGC)のメンバーを通じて渡された。ロシアによるフーシ派への情報提供はこれまで報じられていなかった。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、米国主導の西側の経済・政治秩序を弱体化させるために、どこまで踏み込むつもりかを示している。今回のケースで、ロシアはフーシ派が世界有数の交通量を誇る紅海で一連の攻撃を行うのを支援していた。米政府はフーシ派をテロ組織に指定している。