◆異動後に「泥のように眠れる人」と「不眠になる人」の決定的な違い
「病院に行っても治らなかった不眠の悩みが解決した」「普段なかなか寝ない子どもがスヤスヤ眠った」――感謝の声、続々! 睡眠専門医も納得の2万人を救った「快眠メソッド」を初公開。夜、ぐっすり眠れないという不眠の悩みを医者や睡眠導入剤に頼る前にやるべきこと。それは、寝心地を大きく左右する寝具の見直し。加賀百万石の歴史都市・金沢で江戸時代に創業し、289年の歴史を誇るふとん店「眠りにまっすぐ乙丸屋」の12代目店主は、不眠に悩む人やもっとぐっすり眠りたいという人に向けて、快眠のアドバイスを施して評判だ。初の著書『とにかくぐっすり眠りたい 老舗ふとん店の12代目がこっそり教える快眠法60』(ダイヤモンド社)では、寝具を味方にして快眠に導き、仕事に家事に最高のパフォーマンスを発揮できる60+プラス1」の方法を、さまざまなエビデンス(科学的根拠)とともに徹底指南! 医者や学者が語ってこなかった素朴にして最も影響の大きい「寝具」の視点から、あなたを快眠に誘う。医学監修:森川恵一(日本睡眠学会総合専門医)
※本稿は、『とにかくぐっすり眠りたい 老舗ふとん店の12代目がこっそり教える快眠法60』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【異動の不眠】なぜ異動すると夜中に目が覚めるのか?「根性」ではなく「仕組み」で眠りを取り戻す、最強の睡眠術Photo: Adobe Stock

異動の時期に眠れなくなるのは
あなたが「怠けている」わけではない理由

3月から4月にかけて、このような声が一気に増えます。

「異動してから、布団に入っても目が冴えてしまう」
「疲れ切っているはずなのに、夜中に何度も目が覚める」

そうした時、多くの真面目な方はこう考えてしまいがちです。

「自分は気持ちの切り替えが下手なんだろうか」
「環境が変わったくらいで眠れないなんて、自分は弱い人間だ」

ですが、はっきりとお伝えします。それは大きな誤解です。今、あなたが眠れないのは、あなたが弱いからでも、怠けているからでもありません。むしろ、新しい環境に対して誠実に向き合っている証拠なのです。

環境が変わるとき
心より先に「体」が身構えてしまう

異動や配置換えは、単にデスクの場所が変わるだけではありません。立場、人間関係、通勤経路、そして1日の仕事のリズム……すべてが一気に変わる大きな出来事です。

人は変化を前にすると、無意識のうちに身構えます。これは生き物としての防衛本能です。その結果、あなたの自覚よりも早く、「体(自律神経)」が極度の緊張モードに入ってしまいます。

つまり、今の眠れない状態は、甘えでもサボりでもなく、「体が新しい環境に適応しようと必死に頑張っている正常な反応」なのです。まずは、「眠れないほど、自分は真剣に仕事に向き合っているんだ」と、ご自身を認めてあげてください。

「考えすぎて眠れない」の正体は
交感神経のオーバーヒート

異動後に眠れない方からよく聞くのが、「布団に入ると、明日の仕事のことや今日の反省が頭から離れない」という悩みです。

「考えないようにしよう」と思えば思うほど、思考がグルグルしてしまう……。実はこれ、あなたの思考そのものが原因というよりも、「交感神経」が下がりきっていないことが原因である場合がほとんどです。

交感神経は、いわば体を「活動モード(戦闘態勢)」にするアクセルです。新しい職場、新しい役割、初対面の人たち。これらに対応するため、日中のアクセルは踏みっぱなしの状態です。

その勢いのまま夜を迎えてしまうため、布団に入っても体はまだ「仕事中」だと勘違いしています。

心拍数が高いまま
呼吸が浅い
無意識に歯を食いしばる
寝返りが増える

この状態でぐっすり眠るというのは、そもそも無理な話なのです。大切なのは、気合いで思考を止めることではありません。「物理的に」体の緊張レベルを下げてあげることが必要です。

異動期こそ睡眠は「根性」ではなく
「仕組み」で整える

眠れない日が続くと、私たちはつい「生活習慣」を正そうと努力します。

「もっと早く寝よう」
「スマホを見るのはやめよう」
「リラックスタイムを作ろう」

もちろん、これらは正解です。しかし、精神的な余裕がない異動直後の時期に、これらを完璧にこなすのは非常にハードルが高いものです。そんな時こそ、意志の力を使わない「寝具の調整」に頼ってください。

枕の高さを見直す:首や肩の緊張がフッと抜ける高さになっていますか?
マットレスを確認する:背骨が自然なS字カーブを描き、余計な力が入っていませんか?
掛け布団を調整する:重すぎる布団で、呼吸を妨げていませんか?

これらは、努力や根性を必要としません。体に合った寝具に身を委ねれば、強制的に体は「休息モード」へと導かれます。異動の時期に必要なのは、ポジティブ思考や精神論ではありません。まず、物理的に体を休ませることです。

睡眠という土台さえ立て直せば、思考力も判断力も、そして本来のあなたらしさも、自然と戻ってきます。新しい環境で踏ん張るためにも、今はどうか、工作の準備よりも「眠りの準備」を最優先になさってください。

※本稿は『とにかくぐっすり眠りたい 老舗ふとん店の12代目がこっそり教える快眠法60』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。