尖閣問題以降、
中国の飛行機が多数飛来するようになった

中:中国機が実際に日本の領空を歴史上初めて侵犯したのも2012年です。先ごろ(編注:2024年8月26日)「初めて領空侵犯した」と騒ぎになったのは、中国「軍」としての話です。実は国家海洋局の飛行機が、2012年に日本の領空を侵犯しています。翌13年には中国が新たに防空識別区を設定してきました。この図の黄色いラインですね。「この線の中に入ってくるものに対して、中国国防部の定める規則に従わなくてはならない」旨を国際社会に宣言したんです。尖閣諸島が入っているでしょう。当初は「この区域に入る際は全て中国に通報しなさい」、ということを言っていました。

南西防衛空域における地理的環境(1)尖閣諸島については、日本も中国も台湾も自国領土だと主張している。赤い太線で囲まれた黄緑色の部分が、日本の排他的経済水域(EEZ:領海の基線からその外側200海里までの海域。天然資源の探査・開発・管理の主権的権利などが認められている) 出典:航空自衛隊  拡大画像表示
南西防衛空域における地理的環境(2)紺色の太線で囲まれた水色の部分が、中国が指定する排他的経済水域(EEZ)で、日本の排他的経済水域と重なっている。黄色い線は中国が指定する防空識別圏(ADIZ:線内に入ってきた飛行機について、すべてどこの国の何の飛行機かをその国が識別・監視する)、青い線は日本の防空識別圏 出典:航空自衛隊 拡大画像表示

F:いちいち通報するのですか?

中:我が国はこうした措置が、国際法上の一般原則である公海上における飛行の自由の原則を不当に侵害するものであり、国際航空秩序に対して重要な影響を及ぼすものであることから、この措置が我が国に対して何ら効力を有するものではないことを発表しています。

F:今さらの質問ですが、「尖閣は中国の領土」と中国は明言しているのですか?

中:一般報道のとおり、明言していると認識しています。

F:なんと!