いまシリコンバレーをはじめ、世界で「ストイシズム」の教えが爆発的に広がっている。日本でも、ストイックな生き方が身につく『STOIC 人生の教科書ストイシズム』がついに刊行。佐藤優氏が「大きな理想を獲得するには禁欲が必要だ。この逆説の神髄をつかんだ者が勝利する」と絶賛する同書より、内容の一部を特別公開する。
今回紹介するのは、劇作家や皇帝ネロの少年時代の家庭教師という顔も持つ、ローマ帝国時代の哲学者セネカの名言だ。彼は宮廷で多くの人間の弱さや悪行を目の当たりにして葛藤しながらも、怒りやお金、友情、時間の経過といった普遍的な問題について思考を深めた。そんなセネカの思考の原則がわかる言葉だ。

【そういうことか…】いつも「やる気がない人」の残念な共通点・ワースト1Photo: Adobe Stock

理想を羅針盤にする

目の前に「このうえない善」という目標を設定するのだ。
努力を費やす対象となるもの、すべての言動の礎となるものを。
船乗りが、決まった星を目印にして進路を定めるのと同じだ。
理想のない人生は迷走する。
―― セネカ『ルキリウスに宛てた道徳書簡集』
(書簡95・45‐46)

理想のない人生は迷走する

 セネカは、人生の目標についてしっかりと検討し、無軌道に生きることや惰性で生きることのないよう諭している。

 どこに向かいたいのか?

 なぜそこに向かいたいのか?

 自分の目指す方向がわかると、行動の一つひとつがより有意義なものになる

(本原稿は『STOIC 人生の教科書ストイシズム』からの抜粋です)