米大統領選が示す新メディア台頭、従来型は衰退Emil Lendof/WSJ, Getty Images

 ドナルド・トランプ前米大統領は2週間前、ポッドキャストの司会者ジョー・ローガン氏と3時間にわたって対談した。この回はユーチューブで4500万回以上再生され、スポティファイなど他のプラットフォームでも2500万回以上聴かれた。大統領選当日の夜、トランプ氏は勝利演説でローガン氏らポッドキャスト司会者に謝辞を述べた。

 今回の大統領選ではっきりしたことがある。米メディア界の構図が変わった、ということだ。人々は情報源を多くの新たな媒体に求めるようになり、これまで政治的言論のいわば門番だったテレビ局や新聞社は影響力を失いつつある。

 月に1回以上ポッドキャストを聴く人の割合はこの10年間で3倍以上に増えた。米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、TikTok(ティックトック)ユーザーの半数以上が同プラットフォームで定期的にニュースを見ている。米著名実業家イーロン・マスク氏がXを買収した影響は大きく、政治的コンテンツ、中でも右派寄りの投稿が新規ユーザーのフィードを埋めている。