バイデン米政権がウクライナに対し、米国の供与したミサイルでロシア領内のより奥深くを攻撃するのを容認したことで、ロシアは前線に部隊や装備を供給するのが難しくなるだろう。しかし、この決定は戦況に大きな影響を与えるには遅過ぎたとの批判がある。ウクライナはかねて、前線から数キロ離れた場所にいるロシア軍を攻撃し、かく乱するために、陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)の使用を認めるよう米国に求めてきた。米シンクタンク、戦争研究所の分析によれば、ATACMSは型式により100~190マイル(約160~306キロメートル)の射程があり、これを使うことでウクライナは、空港や武器庫、訓練拠点、補給線など200程度の標的を攻撃できるようになる。