米最大手の小売企業は同業他社に朗報をもたらす先導者なのだろうか。それとも他のみんなからクリスマスの売り上げを盗む「グリンチ」(童話の意地悪な主人公)なのだろうか。これまでのところ後者になりつつある。ウォルマートはホリデー商戦に向けて素晴らしいスタートを切った。同社は19日、8-10月期の米既存店売上高が前年同期比5.3%増加したと発表した。アナリスト予想の3.8%増(ビジブル・アルファ調べ)を大きく上回った。米売上高がアナリスト予想を上回るのは、今回で11四半期連続となった。一方、ターゲットが20日発表した8-10月期の既存店売上高は前年同期比0.3%増と、ウォール街の予想(1.4%増)を下回った。ウォルマートは通期業績見通しについて3度目の上方修正を行い、為替変動を除いた純売上高の予想を4.8~5.1%増とした。3カ月前の時点では3.75~4.75%増を見込んでいた。S&P500種指数を構成する小売企業で既に先頭を走る同社の株価は、19日の決算発表を受けて3%上昇した。一方、通期の業績見通しを引き下げたターゲットの株価は、20日の取引で21%超下落した。