どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。職場で「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から賛否両論を巻き起こし、「こんな本が30年前に欲しかった」「人間の深層心理を突いている」「上司サイドにも対策が必要」などと話題沸騰中である。今回はその中から「出世する人の特徴」についてお伝えする。

職場で「隣の部署の人」と雑談する人は出世する。その本当の理由Photo: Adobe Stock

「普段仕事で関係しない人」と雑談しよう

皆さんは会社に行って、きちんと自分の関係のない部署の人とも話すようにしていますか。仲良しの人とばかり喋っていたり、「仕事に関係のない話はしない」という人もいるでしょう。

しかし、あなたが職場でうまく立ち回りたいなら、そういった普段関係のない人との雑談こそ力を入れるべきです。今回はその理由について話していきましょう。

「利害関係のない人」と雑談をする理由

その理由の1つに、「いざという時に助けてもらえる関係性が作れる」があります。

例えば、仕事でトラブルがあった時、「部署の上司」はあなたを助けてくれるでしょう。なぜなら、あなたのミスが自分の査定にも響くからです。

しかし、「あなたの同僚」や「隣の部署の人」はどうでしょうか。正直、あなたを助ける義理はありませんよね。なぜなら、その人にとってあなたは「利害関係がありそうで、ない人」だからです。その人はあなたが仕事ができようがそうでなかろうが怒られないので、極論「あなたが成功するか」「楽しく仕事をしているかどうか」などは、その人には関係はないわけです。

ただ、あなたがその人と普段から雑談する関係になっておくと、話は変わってきます。

なぜなら、雑談をしていると、「普段から話をしていて、なんとなく愛着のある人」ポジションになれるからです。

そういったちょっと愛着のある人がトラブルを起こしてしまうと、「だったら助けてあげようか」となりやすいのが人情ですよね。ドライな関係性の人のトラブル対処は「やらされ仕事」ですが、ちょっと愛着のある人のトラブル対処は「人助け」のような気持ちが大きくなります。ここが重要なポイントです。

職場は意外と「ウェットな人間関係」で進む

職場の出世する人は、こういった「雑談ができる関係性」を大切にしています。

業務上直接関係がない部署の人は、あなたのことを知る機会はほとんどありません。だからこそあなたの印象は、そのたった1回2回の雑談で決まります。たった1、2回雑談するだけで「何かこの人はいい人っぽい」と印象を与えられるので、非常にコスパが良いです。

伝統的日経企業(JTC)では、このようなウェットな人間関係によって仕事が進むことが多々あります。それ自体が合理的か非合理的かどうかはともかく、皆さん実感のあるところだと思います。

こうした振る舞い1つであなたの同じ仕事量でも、あなたの評価は180度変わってくるのです。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)