事情に詳しい複数の関係者によると、米国のドナルド・トランプ次期大統領はヘッジファンドマネジャーのスコット・ベッセント氏(62)を財務長官に指名した。次期政権の経済政策を監督する重要なポストに、金融業界で最も声高に次期大統領を支持してきた人物の1人を起用する。  ベッセント氏はここ数カ月、トランプ氏とそのチームの主要な経済顧問となっていた。一部のウォール街関係者は、次期大統領が公約している大規模な関税導入が貿易戦争を引き起こし、最終的に米国の消費者にとってさらなる物価高につながると懸念しているが、ベッセント氏はそうした反対の中でもトランプ氏の経済政策案を擁護してきた。  承認されれば、ベッセント氏はトランプ氏の公約を政策に転換する任務を負うことになる。また、次期大統領が最も注目を集めた経済政策案の一部を実行に移すかどうかの判断にも関わることになる。その政策案には、レストラン等でのサービスに対する「チップ」への課税撤廃から米国の輸入品全般への関税付与までが含まれる。  政権移行チームの報道官は、コメントの要請に直ちに応じなかった。