中国の工業分野の過剰生産能力は、ドナルド・トランプ氏の再選前からすでに世界的な懸念材料となっていた。同氏は中国からの輸入品に60%かそれ以上の関税を課す構えで、問題は激化しそうだ。その筆頭は鉄鋼だろう。中国は世界最大の鉄鋼生産国で、世界の生産量の半分以上を占める。以前は建設業や製造業が活況で、大量の鉄鋼を国内で消費できていた。だが不動産バブルがはじけて国内需要が低迷し、世界的な過剰供給を引き起こしている。中国の昨年の鉄鋼生産量は約10億トンと、業界の規模があまりに大きいため、国内需要の動向が世界全体に影響を及ぼしかねない。同国の鉄鋼の純輸出量は10月に1060万トンと過去最高を記録。1~10月の国外向け出荷量は9200万トンに達した。これは中国を除く世界の鉄鋼生産量の10%以上で、米国の2023年の生産量を上回る。
中国鉄鋼への反発、トランプ貿易摩擦の前触れ
中国の鉄鋼輸出量が過去最高水準、過剰供給に各国が反発
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