原材料価格の高騰や中国勢の安値攻勢など、厳しい環境が続く鉄鋼業界。国内需要の減少が続く中、日本勢はどのように成長を図っていくのか。特集『総予測2024』の本稿では、国内鉄鋼大手JFEホールディングスの柿木厚司社長が「中国ライバルと中国ビジネス」への本音を激白。“取捨選択”の経営判断は苦悩に満ちていた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
中東緊迫化は直接的ダメージより
間接的な影響を想定
――2024年は、金利上昇が懸念材料といわれています。
カーボンニュートラルなど設備投資を進めなければいけないので、金利上昇はダメージになります。現時点での影響は大きくないですが、コストアップにつながるので注視しています。
――地政学リスクの影響をどう見ていますか。
ウクライナや中東情勢の直接的なダメージがすぐに出ることは考えにくいですが、世界中がサプライチェーンでつながっているので、中東情勢緊迫化に伴う原油高騰など、間接的な影響は想定されます。
――中国については?
次ページでは、柿木社長が「中国ライバルと中国ビジネス」への本音を激白。現状と今後の見立てから下す“取捨選択”の経営判断は苦悩に満ちていた。国内鉄鋼メーカーのさらなる統合の可能性についても言及している。