中国の電気自動車(EV)メーカーの比亜迪(BYD)はメキシコでの工場建設計画を進めているが、これは、ドナルド・トランプ次期米大統領の貿易政策やトランプ氏との対立を避けたいメキシコ政府にとって試金石となっている。BYD関係者らによれば、同社はメキシコ中部または北部の拠点近くに工場を建設するため、州政府当局との契約締結を模索している。だがトランプ氏は25日に米国がメキシコから輸入する製品に25%の関税を課す意向を表明するなど、メキシコ政府が抱えるジレンマは一層大きくなっている。同国はすでに主要な自動車生産拠点であり、これまでは雇用創出につながる外国投資を歓迎してきた。またテスラと並び世界最大級のEVメーカーであるBYDの誘致は、通常なら大きな成果となるはずだった。