米小売り大手ウォルマートの店舗でホリデーシーズンに山積みにされた商品の中で、ひときわ目を引いたものがある。米国で生産された12.98ドル(約2000円)の綿のTシャツだ。米国のアパレル産業は、安価な輸入品が大量に流入したことで壊滅的な打撃を被った。2023年に米国で購入された衣料品のうち、国内で生産されたものは4%に満たなかった。ドナルド・トランプ次期米大統領は1期目の2018年、こうした状況を変える狙いで、中国からの輸入品に関税を課した。2期目にはカナダやメキシコ産を含む全ての輸入品を追加関税の対象にする考えを表明している。ウォルマートで販売される12.98ドルのTシャツは、関税のおかげで経済的に成り立つようになったわけではない。製造元の米アパレル企業アメリカン・ジャイアントの創業者・最高経営責任者(CEO)のベイヤード・ウィンスロップ氏はそう語る。同氏は要因として、ウォルマートが巨大企業であることと、同社による購入保証を挙げた。
13ドルの米国製Tシャツ、赤字にならない方法とは
ウォルマート向けの低価格Tシャツを生産するため、アメリカン・ジャイアント社は機械への投資やデザイン変更を実施
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