ロス山火事、被害額は米史上最高へPhoto:Apu Gomes/gettyimages

 米ロサンゼルスで発生した山火事についてアナリストらは9日、米国史上最も被害額の大きい火災になる見通しだと述べた。制御できない火災が広がり、推定被害額は初期の見積もりから急増している。

 今回の火災による経済損失の総額は現時点で500億ドル(約7兆9000億円)に迫っていると、JPモルガン・チェースのアナリスト、ジミー・ブラー氏はみている。前日の推計値から倍増した。保険損害額だけで200億ドルを超えていると同氏は推計し、「火災を制御できなければさらに増える」と述べた。

 経済損失に関する他の初期見積もりでも、被害額は米国最大級と位置づけられている。格付け会社モーニングスターDBRSは、保険損害額を計80億ドル超と見積もった。

 自然災害による保険損害額の最終的な集計値は、初期の見積もりと大きく異なる場合がある。特に事態がまだ進行している中で予測する場合はそうなりやすい。アナリストらは、焼失した不動産の件数や平均的価値を過去の火災と比較するなどして潜在的なコストを算出している。

 昨年まで米国で過去最高の被害額を記録した山火事は、2018年にカリフォルニア州北部ビュート郡で発生した「キャンプ・ファイア」だった。英保険ブローカー大手のエーオンによると、保険損害額(インフレ調整後)は約125億ドルだった。