リーダーが善かれと思って実施したことが、メンバーには刺さらないどころか抵抗感を与えてしまうことがよくある。実は、メンバーの「自己肯定度」を把握すると、人それぞれに合わせたリーダーシップを格段に発揮しやすくなる。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)
リーダーが善かれと思ってやったことが
メンバーに響かない
リーダーがメンバーのモチベーションが上げようと、善かれと思って実施したが、実はメンバーには効果がなかったということが、多くの組織で発生している。それどころか、中には抵抗感を与えて、逆効果になってしまうこともある。
リーダーとして役に立とうと思い、メンバーのためを思って助言したら、メンバーに反感を持たれてしまった。リーダーとして、しっかりメンバーの話を聞かなければと思い、傾聴に努めようとしたら、「早く指示を出してくれ」とせかされたというケースもある。
メンバーの属性が多様化する中、価値観も分散している。リーダーが実施したことが、あるメンバーには効果があるが、別のメンバーには逆効果になってしまうことも少なくない。
リーダーとメンバーの間のすれ違いを解消できないだろうか。このように申し上げると、「リーダーとメンバーとでは、世代が違うので難しい」「人それぞれ考え方が異なるので無理だ」「リーダーがメンバーに合わせるのではなく、メンバーがリーダーに従うべきだ」……という諦観に接する。
しかし、私はそうは思わない。諦める必要はない。リーダーとメンバーとの間のすれ違いを解消し、メンバーを巻き込むことができる方法がある。実例を挙げて紹介しよう。