奄美大島から移送され、羽田空港に到着したスカウトグループ「ナチュラル」の会長・小畑寛昭容疑者=1月27日午後、羽田空港 Photo:SANKEI
国内最大規模の違法スカウトグループ「ナチュラル」の会長が1月、鹿児島県の奄美大島で逮捕された。2025年6月施行の改正風営法により、性風俗店からのスカウトバックは禁止になり、警察が監視の目を光らせている。ジャーナリストの清水將裕氏らが、暴力団とも企業とも違う“新型犯罪組織”の内部構造を暴く。※本稿は、ジャーナリストの清水將裕、日本橋グループ*『捕食 欲望をカネに変えるトクリュウ型犯罪集団「ナチュラル」の闇』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
あらゆる機能を網羅した
独自開発アプリの存在
執行役員、専務、本部長……ナチュラルが作成している内部向けの極秘資料には、まるで大手企業のような肩書が並び、給料や昇給に関する詳しい記述もある。また、外部に情報を漏らした場合は高額の罰金を科すなどといった厳しい規則や、警察への対処法、路上でのトラブル処理の仕方など、あらゆるノウハウが詳細に書かれている。
これらの情報は普段、「本社」と呼ばれる執行部とプレイヤーと呼ばれる現場のメンバーの間で、秘匿性の高い専用のアプリを使ってやり取りされているものだ。
今回、我々はA4判用紙に印刷すると1000枚近くになる大量のデータを入手し、関係者の協力も得て分析にあたった。
ここでは、大量の内部資料を入手する入り口となった、ナチュラルの組織内で使われているアプリについて説明していこう。
このアプリは、トップの会長から末端の新人スカウトに至るまで、メンバー全員がログインして使用する。ちなみに、当初は会長が本当に使っているのかという疑問があったが、複数のメンバーが「会長も使っていて、やり取りを見たことがある」と証言している。
実際に我々も関係者の協力を得てログインしてみたが、驚くほど精巧にできている。
チャットやファイル共有、通話などあらゆる機能がついていて、マイクロソフト社が開発しビジネス界で広く使われている「Teams」などのコミュニケーションツールと比べても遜色がない。さらに、出退勤の管理やメンバーの位置情報の把握、給料額の閲覧などもでき、業務のすべてでこれがあれば事足りるのだという。







