「あと1点足りなくて不合格……」。そんな経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。『5科目50年分10000問を分析した東大生のテストテクニック大全』(ダイヤモンド社)の著者であり、2025年1月スタートのTBS日曜劇場「御上先生」(主演・松坂桃李)で教育監修をつとめる西岡壱誠氏によると、テストには「あと1点を取るためのコツ」があると言います。「まじめに勉強に取り組むだけではなく、テクニックを使って1点でも点数を取る。それも実力」。そう語る西岡氏に、今回は「英語の試験攻略法」について聞きました。

毎年難しくなる「英語の試験」を攻略するには?
英語の試験は、毎年どんどん難しくなってきています。大学入試の英語の問題でも、試験時間は変わらずに、分量だけがどんどん多くなっています。また、英語の資格試験においても、問題が多様化してきており、昔は英単語を覚えれば解けていたような試験でも、英作文をしなければならなかったり、文章の要約をしなければ解けない問題も出てきています。
では、どうすれば英語の問題を速く解くことができるのでしょうか?
結論から言うと、東大生は英語の試験は「長文からではなく、設問から」読んでいきます。その設問の問いと、選択肢を読んだ上で、どんな問題が出題されそうかという類推をしているのです
たとえば、英語の試験で「文章を読み、後の問いに答えなさい」という問題が出題され、設問の文が下記のようなものだったとします。
問2 According to paragraph 2, why might using fertilizers be necessary?
実はこれを読んで分析するだけで、文章全体の方向性や、どんなことが書かれているのかについて理解できます。
「まず設問を読む」ことでスピードアップ
たとえば、問1では「why chemical fertilizers are bad」=「なぜ化学肥料は悪いのかの理由」と書いてあります。
化学肥料というと、農業で使うイメージがありますから、これは農業で化学肥料を使うことの是非について書かれている文章なのではないかと予想できます。そして「なぜ化学肥料は悪いのかの理由」という問題なわけですから、パラグラフ1では「肥料には悪い部分がある」ということが書かれているのではないかと予想することができますね。
また、問2では「why might using fertilizers be necessary?」=「なぜ肥料は使わなければならないのか」と書いてあるわけですから、パラグラフ2では「肥料には悪い面があるけれども、使わなければならない」ということが書かれていると予想できます。
問1と問2の問題文を読むだけで、「この文章ではきっと、農業で化学肥料を使うことの功罪について語っていて、そして肥料には悪い面があるけれども使わざるを得ない時もある、という方向で話が展開しているに違いない」と予想することができるのです。
「だいたいこんな話だろう」というのがわかれば、文章は格段に読みやすくなり、読むスピードも速くなります。英語の文章問題を解くのが速い人は、このような文章の内容を類推するテクニックを使っているというわけですね。参考にしてみてください!