「あと1点足りなくて不合格……」。そんな経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。『5科目50年分10000問を分析した東大生のテストテクニック大全』(ダイヤモンド社)の著者、西岡壱誠氏によると、テストには「あと1点を取るためのコツ」があると言います。「まじめに勉強に取り組むだけではなく、テクニックを使って1点でも点数を取る。それも実力」。そう語る西岡氏に、今回は「試験の必勝法」を聞きました。
東大生のずるいテストテクニック
東大生は、カンニングにならないギリギリのレベルで使えるようなギリギリのテクニックを知っていることが多いです。どんな手を使ってでも合格になりたいと考えるからこそ、ルールの裏側を突いたテクニックを使うことにも慣れているのです。
受験も近付いているということで、今回は東大生が知っているギリギリカンニングにならないずるいテストテクニックについてみなさんにお話ししたいと思います。
まず、試験会場で使えるテクニックとして、「周りの状況を把握する」というものがあります。
もちろん他人の解答用紙を覗き込んだらカンニングになってしまいますが、逆に言えばそれ以外のことなら実行しても問題はありません。
まわりの音を聞く
たとえば試験会場で問題を解いているとき、耳を澄ましてみましょう。
数学の試験でカリカリと問題を解く音が多く聞こえるなら、「今年の試験は別にそこまで難しくないんだな、少なくともみんな、手も足も出ないわけじゃないみたいだ」と考えることができます。逆に手が止まっている人や、最初だというのにページを捲る音がいろんな場所から聞こえる場合には、「あれ? 今年はもしかして難しいのかも」と考えることができます。
受験は情報戦
試験が終わったあとの解答用紙回収のタイミングも重要です。
試験中は見てはいけませんでしたが、試験が終わったらチラッと他の受験生の解答用紙を見ても不正行為にはなりません。このタイミングで周りの受験生の出来をチェックすることができますから、「やっぱり大問4は難しかったみたいだな。みんなできていない。ということは、平均点は低くなるだろうから、次の試験で勝負が付くはずだ」と戦略を練り直すことができます。
受験は情報戦ですから、周りの受験生が今の試験をどれくらい解けているのか、というのは大事な情報です。しっかりと把握するようにしましょう。
常識外れの選択肢は削る
最後に、点数に直結する話として、「常識外れの選択肢は削る」というものがあります。
基本的に、大学入試というのは多くの受験生がいる試験であり、大学の品位が問われるような選択肢は正解にはなりません。
たとえば図書館がテーマの英文が出て「当てはまるものを選びなさい」という問題があったとして、「本は返却期限を過ぎても問題ない」とか「図書館にはコーヒーを持ち込んでOK」とか、そんな選択肢があったら、「これは流石にないだろう」と思っていいでしょう。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、試験本番で選択肢として出されると、真面目に英文を読んで「えーと、返却期限についての記述はどこだったっけ?」と探してしまいがちです。そういうことはせず、しっかり「これは常識的に考えてバツだな」というものを選べるようにしましょう。