29日午後8時47分過ぎ、ロナルド・レーガン・ワシントン・ナショナル空港の航空管制官が、普通のように聞こえる質問と指示を伝えた。「PAT25、CRJは見えていますか」。管制官は米陸軍のヘリコプター「ブラックホーク」にそう尋ね、アメリカン航空のボンバルディア製ジェット機に気をつけるよう求めた。それは乗客60人と乗務員4人を乗せ、カンザス州ウィチタから同空港に向かっていた5342便だった。後に当局者らが明らかにしたところによると、ヘリは訓練任務中だった。その後、5342便が着陸直前にポトマック川上空で降下していた際に、管制官は「PAT25、CRJの後ろを通りなさい」と指示した。「CRJ」は航空分野で使われる、カナダエア・リージョナル・ジェットの略称だ。