実業家イーロン・マスク氏率いる投資家グループが、米オープンAIの運営を管理する非営利団体の買収に向けて、974億ドル（約14兆8000億円）を提示した。生成人工知能（AI）「ChatGPT（チャットGPT）」の開発元であるオープンAIを巡り、サム・アルトマン最高経営責任者（CEO）とマスク氏との対立が激化している。マスク氏の弁護士であるマーク・トベロフ氏は10日、オープンAIの理事会に買収提案を提示したと述べた。今回の一方的な提案は、アルトマン氏が綿密に描いたオープンAIの構想に大きな障害をもたらす。アルトマン氏は、オープンAIを営利企業に転換し、合弁事業「スターゲート」を通じてAIインフラ構築に最大5000億ドルを投じることを目指している。マスク氏とアルトマン氏は既に、オープンAIの営利化方針を巡って法廷で争っている。