日本人は必ずお土産を買う?
「投下資金の回収には時間がかかる、入場料の設定など適当でいいではないか」
という考えもあるかもしれません。実際、
「ロジックなどいらない」
「映画料金の2倍とか3倍とかで設定しておけばいいじゃないか」
という声が出ていたことも事実でした。
しかし、マーケティングチームはそうはしませんでした。アメリカ人のカウンターパートから強くロジックを求められていたからです。意味のないアクションを取ってはならない。すべては、意味あるものにしろ、と。
しかし、3600円の「ビッグテン」だけでは、当初の客単価1万円には達しません。アメリカ側は、飲食とお土産でどのように残りの6400円を達成するつもりか説明せよ、とここでもロジックを求めてきました。
しかし、ここには日本側の自信があったのでした。
「蓋を開けるまでは信じられないかもしれないけれど、ここは私たちを信じてほしい。お土産は間違いなく計画通り達成できる。なぜなら日本人は、どこに行っても必ずお土産を買うから」
しぶしぶ受け入れてくれたアメリカ側でしたが、日本側の自信にようやく合点がいったのは、「プレビュー」というプレオープンのときでした。目の前で飛ぶように売れていくお土産を見て、アメリカ人は心底、驚いていました。そして日本側の計画に、一気に信頼感が高まったのでした。