仕事は「定時になったら早く帰るのが普通」だと思っている人がいれば、「たくさん残業して頑張るのが普通」だと思っている人もいます。
お盆や正月には「親戚一同みんなで集まって過ごすのが常識」だと思う人がいれば、「各々が好きな人と好きな場所で過ごすのが常識」だと思っている人もいます。
「50歳を超えたら、周りからちゃんとした人だと思われるよう、車も時計もバッグもソレなりに高いものをチョイスするのが普通」だと考える人がいれば、「50歳を超えたら、もう世間体を気にして高いものを買うより、本当に自分がやりたいことにお金を使うのが普通」だと考える人もいます。
親が高齢になって、介護が必要になった時に「介護は子どもが自宅でするのが常識」だと思う人がいれば、「介護は専門の人に任せるほうが安心だから、親を施設に預けて任せるのが常識」だと思う人もいます。

お分かりいただけたと思いますが、世の中の大半のことには、絶対的な正解がありません。正解がないことなのに「普通は」「常識では」を使って相手を説得しようとするのは、「自分の意見が絶対に正しい!」と他人に押しつける行為だと思うんですよね。大抵は合理的な説明ができないから「普通は」「常識では」という言葉で不安をあおって、相手を都合よくコントロールしようとしているだけです。
ちゃんと良識がある人なら「普通は」「常識では」なんて言わなくても、こちらが納得できるような説明をしてくれるはず。もし「普通は」「常識では」を頻繁に使う人がいたら、「それはあなたにとっては普通/常識かもしれないけど、私にとっては違いますよ」と言って、早めに距離を取ってください。