私は勝手に入らないから
あなたも入ってこないで
「心の境界線を引くなんて自分勝手なんじゃないの?」
「他人はどうでもいい、自分さえよければいいってこと?」
こう思って「むしろ人間関係が悪くなるんじゃないの……?」と不安になってしまう人がいるんですね。
ですが、逆に僕は心の境界線を引くからこそ、人間関係が良好になると思っています。僕たち人間は心の境界線を引いて自分の領域を大切にできるようになれば、他人の領域も大切にできるようになるからです。
もし自分が子どもの立場の時に、親に「結婚のことについて口出しをしないでほしい」と言えれば、自分の領域を守ることができます。すると、今度は自分が親の立場になった時に「子どもの結婚のことは子どもの自主性に任せよう」と、他人(自分の子ども)の領域を大切にした対応ができるようになりますよね。
つまり「私はあなたの家に勝手に入らないよ」「だから、あなたも私の家に勝手に入らないでね」という、お互いの領域を尊重する優しさが持てるというわけです。
僕は、これは決して自分勝手なことではないと思うんです。
日本では相手の領域に踏み入ってお節介をすることが優しさだと思われがちです。でも、自分と他人の間に心の境界線を引いて、お互いの領域を大切にする、こういうクールな関係のほうが実はお互い自分らしい幸せな人生を歩みやすいんですね。
絶対的な正解なんてないのだから
「普通」も「常識」も気にするな
自分らしい生き方の妨げになるのが、他人からの「普通は」「常識では」という指摘です。こちらがやっていることに「普通は○○でしょ!」とか「常識ではこうするよね!」って言い方をされると、「自分は常識外れなことをしちゃってるんじゃないか……」って不安になりますよね。
でもね、そんな言葉は大して重く受け止める必要ないんですよ。だって、「普通」とか「常識」って言葉は、僕たちが思っている以上に個人差があるものだからです。