
心理カウンセラー・るろうにが、他人の悪口を言うことが好きな人への対処法をバッチリ伝授。「他人の行動をコントロールすることができない」ことをふまえた上で、「お釈迦様に悪口を言った男」のエピソードを例に、人間関係の変化のさせ方を解いていく。※本稿は、るろうに『もう誰かのためにガマンしなくていい 自分らしさを取り戻す図太いメンタルになる方法』(主婦の友社)の一部を抜粋・編集したものです。
人間関係における「定数」と「変数」
他人の行動はコントロールできない
かつて経営難だったユニバーサル・スタジオ・ジャパンをV字回復させたマーケターの森岡毅さんと、「いつやるか?今でしょ!」でおなじみの東進ハイスクールの林修先生が、テレビ番組で数学を勉強する意義について、次のような対談をしていました(表現を一部改変しています)。
森岡毅さん「世の中って、“自分の力ではどうしようもないこと”と、“自分の力でどうにかしなくちゃいけないこと”、大きく分けるとこの2つしかないわけですよ。多くの人は、“自分の力ではどうしようもないこと”、つまり“定数”を“変数”にしようと『叶わない努力』で人生の時間とエネルギーを浪費してしまうんです。それで疲れちゃって、自分でコントロールできるところに時間の集中がいかない。ここの見極めを数学で練習しているんですよね」
この話を聞いて、学生時代に超文系人間で数学から逃げていた僕は、もっとマジメに数学を勉強してればよかったと反省しました。人生で何が“定数”で何が“変数”なのかをもっと早く見極められれば、僕はこんなに人間関係に苦労しなかったと思うんです。
この定数と変数の話を人間関係に当てはめると、定数(コントロールできないこと)は他人の意思や行動です。というのも、僕たち人間は基本的に「自分のことは自分で決めたい」という強い欲求を持っています。
だからこそ、他人から一方的にあれしろこれしろと言われると、心理的リアクタンスといって「嫌に決まってるでしょ!勝手に決めないで!」という他人の要求に反発したくなる気持ちが生まれます。だから他人の行動はこちらではコントロールできないんです。