勝手な期待を押しつけたり、不機嫌な態度を露骨に出したりといった言動は仕事でもプライベートでも相手に不快感を与え、人間関係を悪化させる。特に自分では当たり前と思っていたことが実は相手を不快にさせていた、という経験は誰しも心当たりがあるだろう。相手の気持ちや背景を尊重して、上手に人付き合いをしていく方法を週刊誌記者が解説する。※本稿は、山田千穂『ずるい聞き方 距離を一気に縮める109のコツ』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
もう話したくないと思われる態度
期待しすぎて不満を募らせる
ある経営者の方からこんな話を聞いたことがあります。
「相手に期待しすぎたり、願望を持ちすぎたりすると、自分の中に不満がどんどん溜まっていく。だから、何も望んじゃいけないとまでは言わないけれど、他人への期待や願望を高くしちゃいけない」
なるほど!と思いませんか?
109の頃、後輩のスタッフが入社すると、「このくらいは売ってくれるかな」なんて期待値を高く持っていました。そのため、洋服のお畳みばかりをして積極的に接客をしない姿を見ると、「やる気ないのかな?」と不満を抱いてしまう。
家庭内でも同様に「これやっておいてほしかったのに」「なんで洗い物してくれないの?」といった夫への不満がケンカの発端になっていたので、考え方を変えました。「やってくれたらラッキー!」くらいのつもりでいるようにしたのです。
期待は裏切りと表裏一体です。期待すればするほど、それがかなわなければ裏切られた気分になってショックが大きくなります。ということは、期待値を下げれば下げるほど、不満も減っていくわけですよね。