写真はイメージです Photo:PIXTA「全米が泣いた」と銘打たれるハリウッド作品。涙腺を刺激する映画には、どんな仕掛けがあるのか?『アルマゲドン』や『インデペンデンス・デイ』そして邦画『永遠の0』に共通する概念や、キーワードに秘められた意外なニュアンスを、映画ウォッチャーでもある識者2人が解説する。※本稿は、社会学者の井上義和、フリーライターの坂元希美『人はなぜ特攻に感動するのか』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。
アルマゲドンで描かれた
「父になる」ということ
坂元希美(以下、坂元):1990年代後半のハリウッド映画は、特攻文学(編集部注/誰かのために命を投げ出すシーンのあるコンテンツのことを筆者らはこう呼んでいる)の豊作でした。《インデペンデンス・デイ》の2年後、1998年に《ディープ・インパクト》と《アルマゲドン》が公開されます。この2作品はよく似ているのですが、まず《アルマゲドン》からいきましょう。井上さんが『特攻文学論』で言及されていた作品です(注1)。
《インデペンデンス・デイ》は宇宙人による侵略というはっきりした敵がいましたが、本作の相手は小惑星、つまり自然災害です。地球への衝突を回避するために、宇宙空間で小惑星を破壊するためのミッションが立てられます。
井上義和(以下、井上):本作の主人公は、民間石油会社の社長ハリー(ブルース・ウィリス)です。アメリカ政府に委託されて、宇宙船で小惑星に着陸したうえで石油採掘の技術で小惑星を掘削して核爆弾を埋め込む、という危険な任務に挑みます。一緒に連れて行く社員の荒くれ男たちのなかには、娘グレース(リヴ・タイラー)の恋人AJ(ベン・アフレック)もいます。
(注1)井上義和『特攻文学論』創元社29~30頁。



