
数字や計算が苦手な方からすると、ビジネスシーンや日常生活で小難しい計算をパパっとできてしまう「数字に強い人」は、かなり縁遠い存在に感じるかもしれません。特に、割り算が絡むと、とたんに頭が混乱して計算ができなくなってしまうという人は少なくありません。実際、四則演算のなかでは割り算が一番厄介で、さらに割り算と密接に絡む「割合」や「比」になると話の抽象度が一気に上がるので、「学校でも、ここがあやふやなままだった……」という人もいるのではないでしょうか。大人のための数学教室を運営し、テレビや新聞などでも算数や数学の楽しさを発信している堀口智之氏が、『仕事ができる人がやっている「ざっくり計算力」を身につける』(青春出版社)から、“数学ギライ”な人でもわかる割り算の考え方について教えてもらいました。
「割り算・分数・割合・比」の意味を正確につかむ
まず割り算には必ず「割られる数(被除数)」と「割る数(除数)」があり、「割られる数のなかに、割る数がいくつ入るか」を計算するものです。
(60個入るので答えは「60」)
「割り算」という言葉通りの意味で考えると、「300÷5」は「300を5つに割る」と考えることになりますが、たとえば「300÷0.5」のような1未満の小数で割るときに混乱してしまいます。
でも、割り算の本来の意味である「『割られる数』のなかに『割る数』がいくつ入るか」で考えると、「300のなかに0.5がいくつ入るか」とすればいいことがわかります。0.5が2個でようやく1になるわけですから、合計600個。答えは600です。