分数は割り算の式を記号で表したもの
分数は割り算をよりコンパクトな記号で表したもので、分子が「割られる数」で分母が「割る数」です。
分数はうまく割れば自然数(1、2、3、4、5……)になることもありますが、多くは小数として表すこともできます(1/3=0.333……)。
まずはこの関係をしっかり理解し、「割り算の式は分数にも、その逆数のかけ算にも置き換えられる」と頭に入れてください。
割合とは「何倍か」を表したもの
次に割合です。割合の教科書的な定義は「もとにする量を1としたときの比べる量の値」といった感じですが、ほとんどの人は「1とする」の意味で混乱します。代わりに、こんな定義ではどうでしょうか。
一気にシンプルになりました。ただし「何倍か」を計算するには「基準となる数(1倍に当たる数)」と「比較する数(何倍だと表現したい数)」が必要です。たとえば「A社の利益はB社の2倍」も割合を示していますが、「基準となる数」はB社の利益で、「比較する数」はA社の利益です。
では2倍という割合はどう計算したかというと、A社の利益をB社の利益で割っています。「どっちで割るんだっけ?」と迷う人が多いですが、あらためて説明すると、割合は「基準となる数に対して比較する数が何倍か」です。
ここで割り算の定義を思い出してもらうと、「比較する数(A社の利益)のなかに基準となる数(B社の利益)が何個入るか」と考えるのと同じです。基準となるのは必ず「割る数(分母)」。ここが重要です。
もしA社の利益が30億円でB社が15億円なら、「30億÷15億」で答えは2となります。割合は単に2と表してもいいし、倍率だと「2倍」、百分率だと「200%」、歩合だと「20割」。いずれも何倍であるかを表しています。
割合が1より小さくても理屈は同じです。基準をA社に変えれば「15億÷30億」で割合は0.5、倍率は「0.5倍」、百分率は「50%」、歩合は「5割」になります。