「デキるビジネスパーソンは数字に強い」の浅い理解

 この言葉、よく耳にしますよね。まるで水戸黄門の印籠のように、これを言われると、かつて数学コンプレックスのあった社会人は閉口してしまいます。
 多くの方が「まあ、そうなんだろうな」という認識かと思います。
 そこで、私が1つここで問題提起をします。

じゃあ「数字に強い」って、具体的にどういう人のことなの?

 皆さんは、この問いにどう答えるでしょうか。そう言われてみると、答えに詰まってしまう……。そんなリアクションが、私の指導の現場でも実は多いのです。学生さんにはこんな質問をしてもピンとこないでしょうけれど、ビジネスシーンで活躍する皆さんならば、答えを持っておくべきテーマではないでしょうか。

 一緒に考えていきましょう。

暗算が速いこと? 
 電卓が速くたたけること? 
 エクセルの関数をたくさん知っていること? 
 マーケティング担当者のこと?
 経理担当者のこと?
 要するに、経営者のこと?
……。

 う~ん、どれも不正解ですね。
 部門や役職によって、数字を扱う頻度に差があることは事実ですが、しかしそれと「強い」はまったく別物。例えば、毎週スポーツジムに通っている人がすべてアスリート並みの運動能力があるわけではないことと同じです。