「三省堂 辞書を編む人が選ぶ 今年の新語2024」で「言語化」が大賞に選ばれるなど、「言語化」という言葉を耳にすることが増えた。「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」のどれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、話題の書籍「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の著者・山口拓朗氏が、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。

アナウンサーもやる1分間で300~350文字話すトレーニング
言語化力を鍛える効果的な方法の一つが、「1分間で300~350文字を話すトレーニング」です。NHKのアナウンサーは、1分間に約300~350文字のペースで話すトレーニングを受けています。このペースを意識することで、要点を整理しながら言語化する力が身につきます。
このトレーニングを続けることで、短時間で要点をまとめ、論理的かつ簡潔に話すスキルが向上します。また、不要な言葉を削ぎ落とす意識が高まり、より的確な表現ができるようになります。
たとえば、「睡眠が記憶力を高める理由」を1分間で説明する場合、「睡眠中、脳はその日得た情報を整理し、不要な記憶を排除することで記憶の効率を高めます」といった具合に、ポイントを明確にして話す習慣が身につきます。
まずは、日常の出来事を1分で話してみることから始めましょう。「今日の出来事」や「最近のマイブーム」など、身近なテーマを選び、実際に声に出して話します。その際、スマートフォンで録音し、後から聞き返すことで、ムダな言葉や話すスピードの改善点が見えてきます。
このトレーニングは、プレゼンや会議、営業トークはもちろん、SNS投稿や動画配信など、さまざまな場面で活用できます。日々の習慣として取り入れることで、言語化力を着実に鍛えることができるでしょう。
*本記事は、「『うまく言葉にできない』がなくなる 言語化大全」の著者・山口拓朗氏による書き下ろしです。