香港の複合企業、長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)からの港湾権益買収を巡り、米資産運用大手ブラックロックと投資家連合を構成するMSCグループは、この228億ドル(約3兆3000億円)規模の取引から中米パナマの港湾権益を切り離すことを検討している。複数の関係者が明らかにした。関係者によると、コンテナ船世界最大手であるMSCの創業者で会長のジャンルイジ・アポンテ氏と長男で社長のディエゴ・アポンテ氏は、パナマ運河の両端にある2港湾を巡る対立の解消を図りつつ、世界5大陸に位置する41港湾の取引の大部分を進める方向で協議中だ。ハチソンの港湾権益売却計画は米中の政治・貿易面での対立の渦中にある。イタリア人のアポンテ親子は、所有構造の異なるパナマ港湾とその他全てに分かれた取引を模索している。