4月9日、金融市場は大混乱に陥っていた。スコット・ベッセント米財務長官とハワード・ラトニック米商務長官は、ドナルド・トランプ大統領に世界への関税計画の一時停止を求めようとしていた。しかし、そこには大きな障害があった。大統領執務室周辺には、関税推進派であるピーター・ナバロ米大統領上級顧問(貿易・製造業担当)がいたのだ。ナバロ氏は政策論争で引き下がるタイプではなく、企業幹部や他の顧問らが譲歩を求める中でも、関税維持を強く主張していた。このため、同日午前にナバロ氏がケビン・ハセット経済顧問とホワイトハウスの別の場所で会う予定だった際、ベッセント氏とラトニック氏は行動を起こした。複数の関係者が明らかにした。