トランプ米政権は最近、米画像処理半導体(GPU)大手エヌビディアの中国市場向け人工知能(AI)用チップの輸出を事実上禁止した。同社は成長の機会を制限され、中国・華為技術(ファーウェイ)などの競合企業に好機が生まれている。これは序章に過ぎないかもしれない。AIの演算能力にこれまでで最大級の制約が課されるまで1カ月を切った。「AI拡散」規則と呼ばれるこの規制は、AI用チップの販売量に上限を設けるもので、多くの国が対象となる。米国の友好国とされるイスラエルやスイス、インド、サウジアラビアも含まれる。さらに、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、グーグル親会社アルファベットなどの米テック大手が、これらティア2市場で大規模なAIデータセンターを構築する能力も制限されることになる。その狙いは、中国などが他国を通じてAI用チップや演算能力を獲得し、米国の輸出規制を回避するのを抑制することだ。
エヌビディアの「トランプ禍」 中国以外に波及も
「AI拡散」規制でエヌビディアは友好国向け半導体販売も制限される可能性がある
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